企業の売掛債権などを、銀行やノンバンクなどの系列のファクタリング業者に買い取ってもらい、すみやかに資金を調達するというしくみが、一般にファクタリングとよばれているものです。こうした債権のなかには、医療機関などが有している診療報酬債権も含まれますので、同様のしくみによって、資金を調達することが可能となります。利用をするにあたっては、業者による事前の審査があるものの、診療報酬債権というのは、企業の売掛債権とは違って、貸し倒れリスクがきわめて少ない債権であると考えられます。こうした安心確実性があるために、診療報酬債権のファクタリングについては、審査もよりゆるやかですし、条件的にも一般のものよりは優遇されることが多いといえるでしょう。
診療報酬については、国民健康保険団体連合会などに請求したとしても、それがただちに支払われるというものではなく、不適切な請求がないかどうかのチェックが入った上で、ようやく支払われるというものです。そのため、少なくとも支払いまでに2か月程度は待たなければならないというのが相場となっており、そのままではこの間の資金需要に対応ができなくなってしまいます。そこでファクタリングのしくみを使うことにすれば、すぐに現金化することが容易となりますので、経営面でもかなりのメリットが期待されます。ただし、国民健康保険団体連合会などにおけるチェックの結果として、請求額よりも少ない金額で債権が確定することがありますので、ファクタリング可能な上限についても、実際には請求額の8割程度までが目安となります。
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